げぷろぐ

好きなことをダラダラ

頭のエンジンがかからない

 脳みその劣化が著しく、やりたいこと・やらなくてはいけないことをすぐ忘れる。毎日家にいるばっかりで、頭を働かせないとやってられないようなことを避けて生活しているし、加齢もあってボケてきてるのを実感しているので、まずは細々と日記やメモ書きをして脳を活性化させたいのです。文章ちゃんと書けるようになりたい。

 

 読んだ本メモ書き

・『最貧困女子』鈴木大介

 本棚の整理をしようとしていたら発見して、結局読み返した本。取材対象者として出てくる女性たちを低所得層の若年女性として括るだけでは分からない「不可視化された痛み」について。路上でサバイブしなければならないレベルの困窮者がなぜ社会のセーフティネットの網からこぼれ落ちてしまうのかについて。三つの無縁、地縁・血縁・知縁(土地の縁、血族との縁、コミュニティの縁?だったかな)の三つの縁が切れている《貧困》、逆にそれらに困っておらず、所得は低くとも暮らしている《貧乏》との違い。三つの障害、発達障害・知的障害・精神障害者が福祉の手を掴むことの困難。未成年女性が地域の縁から違法・適法セックスワークの周辺に取り込まれていくパターン。セックスワークの社会化・正常化でセックスワーカーが一般職種と同じ福祉へのアクセスを取り戻すことが出来るのではないかという提言。結婚・出産がサバイブ系セックスワーカー社会福祉と接続する機会になるという指摘、恋活を推進するという提案(文字にするとちょっとアレなんだけど、極限の状況にいるサバイバーを救えるのは現状福祉ではなく人間関係の縁であることを鑑みるに仕方ないところか)。セックスワークそのものを悪とする旧来のフェミニズム思想が救済できないワーク系セックスワーカーの労働問題、新書サイズだけど内容はたくさん…。

(以下ごちゃごちゃ本と関係ない独り言、メモ)

→性的なもの、それに関わる職業の社会的立ち位置がアングラ的場所から上がって来れないのは、セックスとそれに欠かせない身体そのものが教育の中で適切に扱われていないからだ。性を伴う身体そのものの地位が社会の中で低い。セックスも性器もタブー視するほどのものじゃない。性産業は悪もしくは必要悪でもなければ慈善事業でもない。ただの労働の一分野だ。

風俗営業の届出制はやめて、衛生管理のきちんとした営業形態の構築ができる者だけが正規の風俗店として認められるようにしたほうがいい。性病検査の義務化(ついでそうした検査費用が保険適用になることも必要)も必要。風俗業種の脱アングラ化で、未成年でセックスワークに取り込まれる層の環境がよくなるとは思わない(むしろ一層地下に追いやられて、社会から見えない場所で過酷な状況に置かれることもあるかもしれない)けど、性産業の一般化で、雇用者側が生きるのが困難で性産業の周辺にたどり着いた人を福祉や行政に接続させられるようになるかもしれないと希望を持ちたいのはわかる。ただ、たどり着いた先の福祉環境が充足しているとも思わず。性差別・性暴力・労働問題・障害への理解・福祉の充足、絡み合った社会の様々な島の環境を改善していかないと、救える人も救えない。

 

 

・『性風俗世界を生きる「おんなのこ」のエスノグラフィ〜SM・関係性・「自己」がつむぐもの〜』熊田陽子