げぷろぐ

好きなことをダラダラ

ICUから帰って来た

年初の冬と相性が悪い。二月の初めは姉の命日だし、寒くて外にも出ない。去年も姉の命日の前に二度の過剰服薬で病院の世話になった。そして今週、また。きっかけは子どもの歯磨きのこと。食事の後に歯を磨いてほしい私と、食後におせんべいを追加で食べたかった息子との間ですれ違いが起きた。食後のおやつくらい少し待ってあげればいいのに、それができなかった。歯磨きを嫌がる息子、息子の腕を引っ張って、カーペットに寝かしつけ押さえつけて歯磨きを無理やりする私。口をゆすぐために洗面所まで息子を連れて行くが、息子は決してそれをしない。

生活の一面。それ以上でも以下でもない。大人がやらなきゃ子どもに規律はない。息子が泣くのを見て、息子の祖父が子どもには子どもの言い分があるんだから、言いたいことを聞いてあげるのも必要だと私に説く。それも正しいと思う。子どもと大人は対等じゃない。腕力、言葉の力、食事だって自分じゃ作れない。私は彼の保護者。そこを勘違いしちゃいけない。でも私だってまた一人の人間で、息子が歯磨きをすませてくれた後に訪れるはずの自分の時間が欲しかったりする。子どもをほめそやしても怒っても、子育てに終わりはない。彼は彼の時間を過ごしていて、保育園で起きることに対して悩んでいたり、よく怒る先生に今日は一度しか怒られなかったからよかった、と言って喜んでいたりする。そういう小さな人と関われることは、とても嬉しいことなんだけど。

その日はだめだった。私の思考回路は一度カチリと悪いものがハマってしまうことがあって、それが取れなくなることがある。直前に悪い知らせがあったことも関係していると思う。子どもを産む前後の辛かった時のこと。息子がまだ言葉を話せなかった時に起きた、しょうがないから生きていただけだった時のこと。全部まだ生傷のままなのかもしれない。かさぶたくらいにはなって、動き回ってもそれは痛まなくなったけど、その日はかさぶたが剥がれてしまった。

死にたかったわけじゃない。ただうまくいかないことの壁があまりにも高すぎて、立ちすくんでいた。壁が見えなくなる薬だと思って、処方されている薬を、余っている分まで多く飲んだ。

薬を飲む前、泣きながら息子にごめんねをしに行った。ママは君が大事なんだよ、一番大事なんだよ、と言った。嘘じゃない。嘘じゃないのに、私はもうなんども彼を裏切っているような気がした。

今回の件で、薬をやめたいと思った。一切薬に頼らないのは無理かもしれないけど、とにかく、手元に余った薬を置いておくのは怖い。